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「WixってSEOに弱いって聞くけど、本当?」
Wixを使って手軽に美しいホームページを作成できるようになった今、このような悩みを抱える方も少なくないでしょう。せっかく作ったホームページも検索エンジンで見つけてもらえなければ、その価値を十分に発揮することができません。
ご安心ください。Wixには初心者でもSEO(検索エンジン最適化)に取り組み、検索結果で上位表示を目指すための機能がしっかりと備わっています。
はじめに:なぜWixサイトでSEOが重要なのか?
そもそもSEOとはSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、Googleなどの検索エンジンで特定のキーワードが検索された際に、自社のホームページをより上位に表示させるための取り組みのことです。
Wixで作成したホームページが潜在的な顧客や読者に見つけてもらうためには、SEO対策が不可欠です。なぜなら、多くのユーザーは検索エンジンを使って情報を探しており、検索結果の上位に表示されるサイトほどクリックされる可能性が高くなるからです。
Wix SEOの基礎知識:Wixは本当にSEOに弱い?
かつては「WixはSEOに弱い」という評判がありました。その理由として過去のURL構造(#!記号の使用)、サイト表示速度の問題、カスタマイズ性の制限などが挙げられていました。
しかし、現在のWixはSEOに関して大幅な改善と機能強化を行っています。
- ▶SEOに適したインフラ: サーバーサイドレンダリング(SSR)の採用、XMLサイトマップの自動生成・管理、robots.txtの自動最適化、画像の自動圧縮・WebP形式への変換など、検索エンジンがサイトを効率的にクロールし、インデックスするための基盤が整っています。
- ▶豊富なSEOツール: 初心者向けの「Wix SEO Wiz(チェックリスト)」から、メタタグ編集、構造化データマークアップ支援、リダイレクト管理、外部ツール連携(Google Search Console、Google Analytics、Semrushなど)まで、多様なSEOツールが提供されています。
- ▶継続的なアップデート: Wixはクラウドベースのプラットフォームであり、SEO機能も常に最新のベストプラクティスに合わせてアップデートされています。
ステップ1:Wix SEO Wiz / チェックリストの完了
SEO対策の第一歩として、Wixが提供する「Wix SEO Wiz」または「SEOチェックリスト」を活用しましょう。これは、サイトの基本的なSEO設定を段階的にガイドしてくれる非常に便利なツールです。
1. Wixサイトのダッシュボード(管理画面)にアクセスします。
2. 左側のメニューから「マーケティング・SEO」を選択します。
3. 「SEO」タブ(または「SEOツール」など)の中にある「SEOチェックリストを開始」(または類似のボタン)をクリックします。
主な設定項目:
- ▶サイト情報の入力: サイト名(ビジネス名)や所在地(実店舗がある場合)などを入力します。
- ▶キーワードの設定: あなたのビジネスやサイトに関連する重要なキーワードを最大5つまで設定します。どのようなキーワードを選べばよいかは、次のステップで詳しく解説します。
- ▶Googleへの接続: WixアカウントとGoogleアカウントを連携させ、Google Search Consoleにサイトを登録します。これにより、Googleにサイトの存在を知らせ、インデックス(検索データベースへの登録)を促すことができます。
- ▶ホームページの最適化: ホームページのタイトルやディスクリプション(検索結果に表示される説明文)を設定します。
- ▶サイトの公開とインデックス申請: チェックリストのステップを完了すると、Wixが自動的にGoogleへサイトのインデックスを申請してくれます。
ステップ2:効果的なキーワード選定と活用
SEOで成果を出すためには、「どのようなキーワードで検索されたいか」を明確にし、そのキーワードをサイトコンテンツに適切に組み込むことが重要です。
■キーワード選定の考え方
- ターゲットユーザーの視点: あなたのビジネスやサービスを探している人が、実際にどのような言葉(キーワード)で検索するかを想像してみましょう。
- 関連性の高さ: 選んだキーワードがあなたのサイトの内容や提供する価値と密接に関連していることが重要です。
- 検索ボリュームと競合: 多くの人が検索するキーワード(検索ボリュームが大きい)は魅力的ですが、競合も多く上位表示が難しい場合があります。逆に、検索ボリュームが小さすぎると、アクセスにつながりにくい可能性があります。
- ロングテールキーワードの活用: ホームページ制作 Wix 初心者 おすすめのように、複数の単語を組み合わせた具体的なキーワード(ロングテールキーワード)は検索意図が明確で、競合が比較的少なく、成約につながりやすい傾向があります。一般的なキーワードと組み合わせてリストアップしましょう。
■キーワード調査ツール
- Wixのキーワード調査ツール (Semrush連携): Wixは大手SEOツール「Semrush」と連携しており、チェックリスト内やSEO設定画面からキーワードの検索ボリュームや難易度、関連キーワードなどを調査できます。無料プランでも利用回数に制限はありますが活用の価値は高いです。
- Googleキーワードプランナー: Google広告のツールですが、無料でキーワードのアイデアや検索ボリュームを調査できます。
- ラッコキーワードなどの外部ツール: サジェストキーワード(関連性の高いキーワード候補)などを効率的に見つけることができます。
- Google検索のヒント: Google検索時のオートコンプリート(入力候補)や、検索結果下部の「関連キーワード」「他の人はこちらも検索」なども、ユーザーの検索意図を知るヒントになります。
自然な統合: 選定したキーワードをサイト内のテキスト(見出し、本文)、ページタイトル、ディスクリプションなどに自然な形で組み込みます。
キーワードの詰め込み(Keyword Stuffing)は避ける: 不自然にキーワードを多用すると読みにくくなるだけでなく、検索エンジンからペナルティを受ける可能性があります。あくまでユーザーにとって価値のある、読みやすいコンテンツを作成することを最優先しましょう。
ステップ3:ページごとの最適化(タイトル、ディスクリプション、URL)
サイト全体だけでなく、各ページの内容に合わせて個別のSEO設定を行うことが重要です。特に検索結果に直接表示される要素はクリック率に大きく影響します。
■設定方法(Wixエディタ内)
■最適化する項目
- SEOタイトル (Title Tag): 検索結果でページのタイトルとして表示されるテキストです(青字のリンク部分)。そのページの内容を正確に反映し、主要なキーワードを含めユーザーの興味を引くように記述します。文字数は全角30文字程度が目安です。
- メタディスクリプション (Meta Description): 検索結果でタイトルの下に表示される、ページの概要説明文です。ページの内容を要約しキーワードを含めつつ、ユーザーにクリックしたいと思わせる魅力的な文章を作成します。文字数は全角100~120文字程度が目安です。
- URLスラッグ: ページのURLの末尾部分(例: https://yourdomain.com/url-slug)です。ページの内容を簡潔に表す、分かりやすい英数字(または日本語URLも設定可能)で設定します。キーワードを含めることも有効ですが、短くシンプルに保つことが推奨されます。Wixでは以前のURL構造(#!)が問題視されましたが、現在はクリーンなURLが自動生成されるようになっています。
これらの設定は、すべてのページ(ブログ記事、商品ページなども含む)に対して行うことが理想的です。Wixでは特定のページタイプ(例: 商品ページ)に対して、ルールに基づいてタイトルやディスクリプションを自動生成する機能もあります。
■最適化する項目②
- SEOタイトル (Title Tag): 検索結果でページのタイトルとして表示されるテキストです(青字のリンク部分)。そのページの内容を正確に反映し、主要なキーワードを含め、ユーザーの興味を引くように記述します。文字数は全角30文字程度が目安です。
- メタディスクリプション (Meta Description): 検索結果でタイトルの下に表示される、ページの概要説明文です。ページの内容を要約し、キーワードを含めつつ、ユーザーにクリックしたいと思わせる魅力的な文章を作成します。文字数は全角100~120文字程度が目安です。
- URLスラッグ: ページのURLの末尾部分(例: https://yourdomain.com/url-slug)です。ページの内容を簡潔に表す、分かりやすい英数字(または日本語URLも設定可能)で設定します。キーワードを含めることも有効ですが、短くシンプルに保つことが推奨されます。Wixでは以前のURL構造(#!)が問題視されましたが、現在はクリーンなURLが自動生成されるようになっています。
これらの設定は、すべてのページ(ブログ記事、商品ページなども含む)に対して行うことが理想的です。Wixでは、特定のページタイプ(例: 商品ページ)に対して、ルールに基づいてタイトルやディスクリプションを自動生成する機能もあります。
ステップ4:コンテンツSEO(ブログ活用、内部リンク、質)
検索エンジンは、ユーザーにとって価値のある、質の高いコンテンツを評価します。SEO対策において、コンテンツの充実は最も重要な要素の一つです。
■Wixブログの活用
- Wixには標準でブログ機能が搭載されており、簡単に追加・運営できます。
- ブログ記事を通じてターゲットユーザーの疑問に答えたり、役立つ情報を提供したりすることで、専門性や信頼性を示すことができます。
- 定期的に新しい記事を公開することでサイトの鮮度を保ち、検索エンジンからの評価を高める効果も期待できます。
- 各ブログ記事にもキーワード選定やタイトル・ディスクリプション設定、画像SEOなどの対策を施しましょう。
■内部リンクの重要性
- 内部リンクとは、自分のサイト内のページ同士をつなぐリンクのことです。
- 関連性の高いページ同士をリンクで結ぶことでユーザーがサイト内を回遊しやすくなり、滞在時間の向上につながります。
- 検索エンジンにとってもサイトの構造を理解しやすくなり、各ページの関連性や重要度を評価する手がかりとなります。
- ブログ記事から関連するサービスページへ、あるいはページフッターから重要なページへなど自然な形で内部リンクを設置しましょう。
コンテンツの質:
- ユーザーが何を求めているか(検索意図)を理解し、その答えとなる情報を提供することが最も重要です。
- 独自性のある情報や深い分析、具体的なノウハウなど、他にはない価値を提供することを心がけましょう。
- テキストだけでなく画像や動画なども効果的に活用し、分かりやすく魅力的なコンテンツを作成しましょう。
- 定期的にコンテンツ内容を見直し、情報の鮮度を保つことも大切です。
ステップ5:画像SEO(代替テキスト設定)
ウェブサイトで使用する画像も実はSEOの対象となります。検索エンジンは画像を「見る」ことができないため、どういう画像なのか、内容をテキストで伝える設定が必要です。
■代替テキスト (Alt Text / alt属性)
- →代替テキストは、画像が表示されない場合に代わりに表示されるテキストであり、検索エンジンが画像の内容を理解するための重要な手がかりです。
- →Wixエディタで画像を選択し、設定パネルから簡単に追加できます。
- →画像の内容を具体的かつ簡潔に説明するテキストを設定します。関連するキーワードを自然に含めることも有効ですが、「~の画像」といった記述は不要です。
- →すべての意味のある画像(装飾目的でない画像)に設定することが推奨されます。
その他の画像最適化:
- →ファイル名: 画像をアップロードする前に、ファイル名を内容に即したもの(例: wix-seo-settings.jpg)に変更しておくとわずかですがSEOに役立つ可能性があります。
- →画像サイズ・形式: Wixはアップロードされた画像を自動的に圧縮し、WebP形式などの軽量なフォーマットに変換してくれるため、サイト表示速度への影響を最小限に抑える工夫がされています。ただし、元画像のファイルサイズが大きすぎると処理に時間がかかる場合もあるため、アップロード前に適切なサイズにリサイズしておくのが望ましいでしょう。
ステップ6:モバイル最適化の確認
現在、多くのユーザーがスマートフォンやタブレットからインターネットを利用しています。そのため、モバイルデバイスで快適に閲覧できるサイト(モバイルフレンドリー)であることはSEOにおいて非常に重要です。Googleもモバイルフレンドリーであることを検索順位の評価の要因のひとつであるとしています。
Wixのモバイル対応:
- →Wixで作成されたサイトは、基本的にモバイルフレンドリーに対応するように設計されています。
- →Wixエディタにはデスクトップ表示とモバイル表示を切り替える機能があり、モバイルでの表示を確認・調整することができます。
- →多くの場合自動で最適化されますが、たとえばテキストサイズが小さすぎる、ボタンが押しにくい、横スクロールが発生してしまうなどの問題がないか、モバイルビューで必ず確認しましょう。
ステップ7:Googleツール連携(Search Console, Analytics)
ウェブサイトのパフォーマンスを測定し、改善点を見つけるためには、Googleが提供する無料ツールとの連携が不可欠です。
Google Search Console (サーチコンソール)
- →Google検索におけるサイトのパフォーマンス(表示回数、クリック数、掲載順位、検索キーワードなど)を確認できます。
- →サイトマップの送信、インデックス状況の確認、Googleからのエラー通知の受け取りなどが可能です。
- →Wix SEOチェックリストを通じて簡単に連携できます。
Google Analytics (アナリティクス)
- →サイト訪問者の行動(アクセス数、どこから来たか、どのページを見たか、滞在時間、直帰率など)を詳細に分析できます。
- →どのコンテンツが人気か、どこでユーザーが離脱しているかなどを把握し、サイト改善に役立てることができます。
- →Wixのダッシュボードから連携設定が可能です。
これらのツールから得られるデータを定期的に確認し、SEO戦略の効果測定や改善点の発見に役立てましょう。
Wix SEOで注意すべき点
WixでSEO対策を進める上で、いくつか注意しておきたい点があります。
- →サイト表示速度: Wixはインフラ改善に努めていますが、依然として表示速度が遅いという指摘もあります。ページの表示速度はユーザー体験とSEOの両方に影響するため、重い画像や動画の使いすぎ、過度なアニメーション、不要なアプリの多用などは避けるようにしましょう。(速度改善については別記事で詳しく解説します)
- →キーワードの詰め込み: 前述の通り、キーワードを不自然に多用するのは逆効果です。ユーザーにとって自然で価値あるコンテンツ作りを心がけてください。
- →テンプレートの変更不可: Wixでは基本的に、一度選択したテンプレートを後から変更することはできません。サイトのデザインはSEOに直接影響するわけではありませんが、ユーザー体験には関わります。長期的な運用を見据え、慎重にテンプレートを選びましょう。
- →バックアップ機能: WixにはWordPressのような手動での完全なバックアップ・復元機能が限定的です。サイトの編集履歴から過去のバージョンに戻すことは可能ですが、重要なコンテンツは別途手元に控えておくなどの対策も検討しましょう。
まとめ:継続的な改善で成果を出す
Wixを使ったSEO対策は、一度設定したら終わりではありません。SEOは検索エンジンのアルゴリズムの変更や競合サイトの動向、ユーザーのニーズの変化に合わせて、継続的に見直しと改善を行っていく必要があります。
今回ご紹介したステップを着実に実行し、Google Search ConsoleやGoogle Analyticsのデータを活用しながら効果測定と改善を繰り返していくことが、Wixサイトで検索上位表示を実現しビジネスの成果につなげるための鍵となります。
WixはSEOラーニングハブやウェビナー、ヘルプセンターなど、学習リソースも豊富に提供しています。これらの情報も活用しながら、ぜひあなたのWixサイトの可能性を最大限に引き出してください。