中小企業がホームページ制作に利用できる補助金や助成金について、詳しく解説します。これを読めば、どの補助金が最適かが分かります。
ホームページ制作に使える補助金・助成金とは?
ホームページ制作を考えている中小企業にとって、補助金や助成金の活用は大きな助けとなります。これらの制度は、企業のデジタル化を推進し、競争力を高めるために設けられています。一般的には、IT導入補助金、助小規模事業者持続特化補助金、入事業再構築補助金、ものづくり補助金、その他にも各地方自治体には独自の補助金制度があります。
各補助金には、それぞれ異なる対象経費や対象者、補助額が設定されており、企業のニーズや状況に応じて最適なものを選ぶことが重要です。以下では、主要な補助金について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
企業のデジタル活用を促す「IT導入補助金」
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に利用できる補助金です。
この補助金の対象経費には、ソフトウェアの購入費用やクラウドサービスの利用料金、さらにはホームページ制作費用も含まれます。 こちらはホームページを作成するだけでは対象外になってしまうため、売上・成果に直接つながるITシステムを導入する必要があります。
補助金の交付決定までは、補助を受けたい事業について発注・契約、支払などを行えません。
助IT導入補助金は、導入するITツールを決めたうえで、導入先の事業者とともに申請します。
交付が決定後には、あらかじめ申請したITツールを導入して補助を受けた事業を実施しましょう。
期日までに事業実施報告書を作成・提出すると、その結果を見て補助金額が決められます。
交付手続きを経て補助金を受け取ってから事業実施効果の報告書の提出が必要です。
対象者は、日本国内に本社を有する中小企業や小規模事業者であり、特にITツールの導入を通じて業務効率化や売上向上を目指す企業が対象です。
補助額は、導入するITツールの種類や規模によって異なりますが、一般的には費用の最大75%が支給されます。
IT導入補助金の対象となる業種と規模は以下の通りです。
業種 | 資本金 | 従業員数(常勤) |
製造業、建設業、運輸業 | 1億円以下 | 20人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 5人以下 |
サービス業 | 1億円以下 | 5人以下(宿泊業・娯楽業は20人以下) |
小売業 | 1億円以下 | 5人以下 |
ゴム製品製造業 | 1億円以下 | 20人以下 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 1億円以下 | 20人以下 |
旅館業 | 1億円以下 | 20人以下 |
IT導入補助金の補助額は、申請類型によって変動します。補助率と補助額の一覧は以下の通りです。
類型 | 補助率 | 補助額の上限 | 特徴 |
通常枠 | 1/2〜4/5 | --- | 幅広いITツールが対象、中小企業向けの一般的な枠 |
インボイス対応類型 | 3/4〜4/5 | --- | インボイスに対応したITツール導入を支援、補助率が高い |
基盤導入類型 | 2/3 | 3,000万円 | 基盤となるITシステムの導入を支援、大規模な投資に対応 |
IT導入補助金を活用することで、企業は初期費用を抑えつつ最新のITツールを導入しやすくなります。これにより、業務効率化や売上向上を実現しやすくなるため、積極的に活用を検討してみてください。
零細企業を補助する「小規模事業者持続化補助金」
小規模事業者持続化補助金は、零細企業や個人事業主が事業を持続・発展させるための補助金です。 この補助金の対象経費には、ホームページ制作費用や広告宣伝費、設備導入費などが含まれます。対象者は、従業員数が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の小規模事業者や個人事業主です。 特に、地域密着型の事業を展開している企業が対象となります。補助額は、通常の場合で50万円まで、特例措置が適用される場合はさらに増額されることもあります。
小規模事業者持続化補助金は、零細企業や個人事業主が事業を持続・発展させるための補助金です。 この補助金の対象経費には、ホームページ制作費用や広告宣伝費、設備導入費などが含まれます。 対象者は、従業員数が20人以下(商業・サービス業の場合は5人以下)の小規模事業者や個人事業主です。 特に、地域密着型の事業を展開している企業が対象となります。補助額は、通常の場合で50万円まで、特例措置が適用される場合はさらに増額されることもあります。 小規模事業者持続化補助金を活用することで、少ないリソースで効率的に事業を拡大することが可能となります。 ホームページ制作を通じて新たな顧客を獲得し、売上を向上させるために、この補助金の活用を検討してみてください。 こちらの補助金を利用するためには、商工会議所の指導をうけながら補助事業計画書や経営計画書を作成しましょう。
コロナ禍の中小企業を支援する「事業再構築補助金」
事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業が事業の再構築を図るための補助金です。 この補助金の対象経費には、新しい事業を始めるための設備投資費用やホームページ制作費用が含まれます。 対象者は、コロナ禍で売上が一定以上減少した中小企業や個人事業主であり、新たな事業分野への転換や業態の転換を図る企業が対象です。 補助額は、企業の規模や計画内容によって異なりますが、通常の場合で100万円から6,000万円までが支給されます。
申請枠 | 補助率 | 補助額の上限 | 特徴 |
成長分野進出枠(通常類型) | 1/2 | --- | 新規事業への進出や既存事業の高度化を支援 |
成長分野進出枠(GX進出類型) | 1/2 | --- | GX(グリーントランスフォーメーション)関連の事業を支援 |
コロナ回復加速化枠(通常類型) | 1/2 | --- | コロナ禍からの回復を支援 |
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) | 3/4 | --- | 最低賃金引上げに対応するための事業を支援 |
事業再構築補助金を活用することで、企業はコロナ禍からの回復を図りつつ、新たなビジネスチャンスを掴むことが可能となります。ホームページ制作を通じて新たな顧客層にアプローチするためにも、この補助金の活用を検討してみてください。
ものづくり補助金
国の中小企業庁が支給している「ものづくり補助金」は、商品・サービスの開発や向上のための設備投資を支援する補助金です。中小企業、小規模事業者が対象で、補助金額は100~1000万円となっています。ものづくり補助金は大きく分けると「一般型」「グローバル展開型」の2種類です。一般型はさらに「通常枠」「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」の4種類があります。通常枠で申請する場合、中小企業で経費の2分の1、小規模事業者で3分の2までを補助してもらうことが可能です。ただし、パソコンといった日常業務でも使用しているもの以外の設備に対して、単価50万円以上を投資しなければなりません。これは補助金とは別に支払う必要がある費用なので、ものづくり補助金を利用したい場合は少なくとも50万円以上の投資が可能であるかを考慮する必要があります。
ものづくり補助金は電子申請を行うため、さまざまな行政手続きをするサイトにログインできる共通IDであるGビズIDを取得したうえで事業計画書の作成・提出をしましょう。中小企業庁が提出された書類をもとに補助金の対象かどうかなどの確認、採択審査を行います。審査に通ったら対象事業を実施、期日までに実績報告書を提出、中小企業庁による最終審査が行われ、補助金が支給されるという流れです。
地方自治体の補助金
地方自治体によりますが、事業者のホームページ作成やリニューアルにかかる費用の補助を行っているケースがあります。ただ、交付される条件や対象事業、補助金額、申請方法などは全国で統一されているわけではないため、事業の拠点がある自治体で情報確認が必要です。地方自治体の補助金は事業計画書などの作成が不要な場合があるので利用しやすいといえます。
- 中小企業デジタル人材育成支援事業(東京)
- 小規模事業者向けデジタル化支援補助金(東京)
- 小規模事業経営支援事業(大阪府)
- 商店街等エネルギー・デジタル支援補助金(大阪府)
- 中小企業経営革新事業費補助金(愛知県)
- DX推進補助金(愛知県)
中小企業デジタル人材育成支援事業(東京)
東京都が提供する本事業は、デジタル化を進めたい都内中小企業や個人事業主の皆様を支援するための補助金制度です。ホームページ制作だけでなく、幅広いデジタル活用に対応している点が特徴です。
補助金の概要
項目 |
内容 |
対象者 |
都内に本社または事業所を有する中小企業・個人事業主 |
補助率 |
対象経費の2/3以内 |
上限額 |
150万円 |
対象経費 |
ホームページ制作費、システム導入費、クラウドサービス利用料、研修費用など |
申請期間 |
例年5月〜6月頃(年度により変動あり) |
申請のポイント
申請にあたっては、単なるホームページ制作ではなく、自社のデジタル人材育成や業務プロセス改善につながる計画であることが採択のカギとなります。例えば、社内スタッフがホームページを更新・管理できるようになるための研修費用も補助対象に含めることで、持続可能な仕組みづくりが可能です。
必要書類と申請方法
交付申請書、事業計画書(デジタル人材育成の観点を含めること)、経費見積書(IT事業者からの見積りが必要)、会社概要(事業内容がわかる資料)、直近の決算書(個人事業主の場合は確定申告書)が必要です。申請は東京都産業労働局のウェブサイトから電子申請で行うことができます。書類に不備があると審査対象外となる場合があるため、余裕をもって準備することをおすすめします。
活用事例
- 自社製品のオンライン販売システム構築と社員向けECサイト運営研修
- 予約管理システム付きホームページの開発と運用体制の構築
- 顧客管理と連携したコーポレートサイトの刷新と更新業務の内製化
- ブログやSNS連携機能を備えたサイト構築と情報発信の社内体制づくり
審査のポイント
デジタル人材育成の具体性(誰が、どのようなスキルを、どう身につけるか)、導入後の活用計画(持続可能な運用体制)、経営課題との関連性(売上向上や業務効率化などの具体的目標)、費用対効果(投資に見合った成果が見込めるか)が重視されます。導入後も継続的に活用できる仕組みづくりを意識した申請書作成が重要です。また、補助金交付決定後に契約・着手することが条件となるため、交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外となる点にご注意ください。
本補助金をきっかけに、自社のデジタル化を計画的に進め、競争力強化にお役立てください。不明点は東京都産業労働局の窓口やよろず支援拠点などに相談することも可能です。
関連記事:【2025年最新】東京都のホームページ制作補助金完全ガイド|活用して制作コストを大幅削減!
小規模事業者向けデジタル化支援補助金(東京)
東京都が実施する本補助金は、小規模事業者のデジタル化を後押しする制度です。ホームページ制作を検討されている方に特に注目していただきたい支援制度となっています。
補助金の概要
項目 |
内容 |
対象者 |
都内に事業所を有する小規模事業者 |
補助率 |
対象経費の2/3以内 |
上限額 |
100万円 |
対象経費 |
ホームページ制作費、EC機能構築費、デジタルツール導入費、関連機器購入費など |
申請期間 |
例年7月〜8月頃(年度により変動あり) |
小規模事業者の定義
業種によって従業員数の基準が異なります。商業・サービス業では従業員5人以下、製造業・建設業・運輸業などでは従業員20人以下が対象となります。
申請のポイント
本補助金は「初めてのホームページ制作」や「既存サイトの大幅リニューアル」など、事業拡大や業務効率化に直結するデジタル化が優先的に採択される傾向があります。 単純なサイト更新ではなく、ビジネス拡大につながる具体的なプランを示すことが重要です。申請には交付申請書、事業計画書(デジタル化による経営改善効果を具体的に記載)、経費見積書(IT事業者からの正式見積り)、確定申告書または決算書の写し、登記簿謄本または開業届の写しなどが必要となります。申請は東京都中小企業振興公社の専用ウェブサイトから電子申請が基本となります。書類に不備があると審査対象外となる場合があるため、余裕をもった準備をおすすめします。
活用事例
- 初めての自社ホームページ制作と顧客管理システムの連携
- 実店舗の商品をオンラインでも販売できるECサイト構築
- 予約管理システム付きホームページによる顧客対応の効率化
- SNS連携機能を備えたサイトで商圏拡大を目指す取り組み
審査のポイント
審査では、デジタル化による経営課題解決の具体性、売上向上や業務効率化など成果目標の明確さ、導入後の活用計画(持続可能な運用体制)、費用対効果の妥当性などが重視されます。この補助金は競争率が高い傾向にあるため、単なるホームページ制作という表現ではなく、「オンラインでの販路開拓」「顧客接点の強化」「業務プロセスの改善」など、経営上のメリットを具体的に示すことが採択への近道です。
なお、交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外となるため、必ず採択通知を受けてから事業着手する必要があります。本補助金を活用して、ビジネスのデジタル化を一歩進めてみてはいかがでしょうか。
小規模事業経営支援事業(大阪府)
大阪府が提供するエキスパートバンク制度は、ホームページ制作を含む専門的な課題解決に向けて、経験豊富な専門家を派遣する支援事業です。資金面の補助というよりも、「知識・ノウハウ」という形での支援を受けられる点が特徴です。
支援内容と条件
項目 |
内容 |
対象者 |
大阪府内の小規模事業者(商工会・商工会議所の会員であること) |
支援内容 |
IT専門家の派遣によるホームページ制作支援 |
費用負担 |
1回あたりの相談料の一部を大阪府が負担 |
利用回数 |
年度内最大3回まで |
自己負担額 |
1回あたり5,500円(税込) |
相談時間 |
1回あたり約2時間 |
申請の流れ
最寄りの商工会・商工会議所に相談し、エキスパートバンク制度の利用申込書を提出します。申請後、商工会・商工会議所が適切な専門家を選定し、日程調整を行います。ホームページ制作に関しては、単なる制作依頼ではなく、自社に最適なウェブ戦略の相談や制作後の更新方法の指導なども含めた活用が最も効果的です。
活用のポイント
本制度は直接的な制作費補助ではなく、専門家のアドバイスを受ける制度です。そのため、以下のような活用方法が効果的です。
- ホームページ制作の前段階での相談(目的の明確化、必要な機能の洗い出し)
- 複数の制作会社から取得した見積もりの比較・検討についてのアドバイス
- 制作後のSEO対策や更新方法についての指導
- 既存サイトの改善点の洗い出しと効果的なリニューアル戦略の策定
また、ホームページ制作後の集客施策や分析方法についても相談可能です。効果測定の仕組みづくりまで含めたアドバイスを受けることで、投資対効果の高いウェブサイト運営が実現できます。
申請時の注意点
商工会・商工会議所の会員であることが条件となりますので、まだ会員でない場合は入会手続きが必要です。また、専門家の予約状況によっては希望日に相談できない場合もあるため、計画的な申請をおすすめします。相談内容を事前に整理し、限られた時間(2時間)で最大限の成果を得られるよう準備しておくことが大切です。
本制度を活用して専門家の知見を借りながら、ビジネスの成長に効果的なホームページを構築しましょう。
商店街等エネルギー・デジタル支援補助金(大阪府)
大阪府が提供する本補助金は、府内の商店街や中小企業団体のデジタル化を促進するための支援制度です。ホームページ制作を含むデジタル化の取り組みに対して手厚い補助が受けられる点が魅力です。
補助金の詳細
項目 |
内容 |
対象者 |
大阪府内の商店街団体、小売市場、中小企業団体等 |
補助対象事業 |
デジタル化促進事業(ホームページ制作、ECサイト構築等) |
補助率 |
対象経費の2/3以内 |
補助上限額 |
200万円 |
申請期間 |
例年6月〜7月頃(年度により変動あり) |
事業実施期間 |
交付決定日から当該年度3月末まで |
対象となる事業内容
この補助金ではホームページ制作に関連して、以下のような取り組みが対象となります。
- 商店街や団体の共同ホームページ・ポータルサイトの構築
- 会員店舗の情報を集約したウェブサイトの制作
- オンライン予約機能やECサイト機能を備えたウェブサイト開発
- デジタルスタンプラリーなどの集客システム構築
- キャッシュレス決済導入と連動したウェブ戦略
申請のポイント
団体全体のデジタル化戦略の一環としてホームページを位置づけ、単なる情報発信だけでなく、集客や販売促進につながる具体的な効果を示すことが採択率を高めるポイントです。例えば、ホームページにクーポン機能や会員登録システムを組み込むことで、来店促進や顧客データの収集・分析にも活用できる計画を立てるとよいでしょう。
申請から交付までの流れ
- 事前相談(大阪府商工労働部中小企業支援室)
- 交付申請書と事業計画書の提出
- 審査・交付決定(約1〜2ヶ月程度)
- 事業実施(ホームページ制作など)
- 実績報告書の提出
- 補助金額の確定・交付
活用のヒント
商店街全体や組合としての取り組みが対象となるため、同業種や地域の事業者と連携し共同で申請することが効果的です。各店舗の魅力を一元的に発信するポータルサイトや、共通のオンライン予約システムなど、個店では実現が難しい大規模なデジタル化プロジェクトを検討することで、補助金の有効活用が可能となります。
また、専門家のアドバイスを受けながら計画を立てることも、採択率を高めるために有効です。大阪府の商工会議所やよろず支援拠点などで無料相談も利用できますので、申請前にご相談されることをお勧めします。
中小企業経営革新事業費補助金(愛知県)
愛知県中小企業経営革新事業費補助金は、中小企業等経営強化法に基づく「経営革新計画」の承認を受けた県内事業者を対象とする補助金制度です。ホームページ制作を単独で補助するものではなく、経営革新の取り組みの一環としてウェブサイト構築を位置づける必要があります。
補助金の詳細
項目 |
内容 |
対象者 |
愛知県内に事業所を有し、経営革新計画の承認を受けた事業者 |
補助対象事業 |
経営革新計画に基づく新商品・新サービス開発、販路開拓等 |
補助率 |
対象経費の1/2以内 |
補助上限額 |
100万円 |
申請期間 |
例年5月〜6月頃(年度により変動あり) |
事業実施期間 |
交付決定日から当該年度2月末まで |
経営革新計画とは
経営革新計画とは、「新事業活動」に取り組むことにより、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する3〜5年の計画です。この計画の承認を受けることが、本補助金を申請するための前提条件となります。
ホームページ制作と補助金活用のポイント
本補助金を活用してホームページを制作する場合、単なる情報発信サイトではなく、経営革新計画に基づく新たなビジネスモデルを実現するためのツールとして位置づけることが採択の鍵となります。例えば以下のようなケースが考えられます。
- 新商品・サービスの販売を目的としたECサイトの構築
- オンライン予約システムを組み込んだサービス提供の仕組み作り
- IoTと連携した顧客管理システムとウェブサイトの一体開発
- 海外販路開拓のための多言語対応ホームページ制作
申請から交付までの流れ
- 経営革新計画の策定・申請(愛知県の各地域の産業労働事務所)
- 経営革新計画の承認取得(審査期間:約1〜2ヶ月)
- 補助金交付申請書の提出
- 審査・交付決定
- 事業実施(ホームページ制作など)
- 実績報告書の提出
- 補助金額の確定・交付
申請のコツと注意点
経営革新計画の承認取得に時間を要するため、余裕をもった計画が必要です。まずは愛知県の産業労働事務所や商工会議所に相談し、経営革新計画の策定支援を受けることをお勧めします。計画では、付加価値額や経常利益を具体的な数値目標として設定する必要があります。
ホームページ制作を含む事業計画では、投資に対する効果を明確に示すことが重要です。例えば、オンライン販売による売上増加見込みや、業務効率化による経費削減効果などを、具体的な数値で示すことが求められます。
また、補助金は事業完了後の精算払いとなるため、全額を一時的に自己資金で賄う必要がある点にも注意が必要です。資金計画も含めた総合的な準備が大切です。
DX推進補助金(愛知県)
愛知県が提供するあいちDX推進補助金は、県内事業者のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるための支援制度です。単なるホームページ制作だけでなく、デジタル技術を活用した業務変革や新たなビジネスモデル構築を支援する点が特徴です。
補助金の詳細
項目 |
内容 |
対象者 |
愛知県内に本社または事業所を有する事業者 |
補助対象事業 |
DX推進に関する取り組み(ホームページリニューアル、EC導入、業務システム導入など) |
補助率 |
対象経費の1/2以内 |
補助上限額 |
100万円 |
申請期間 |
例年5月〜6月頃(年度により変動あり) |
事業実施期間 |
交付決定日から当該年度2月末まで |
ホームページ制作での活用方法
本補助金を活用したホームページ制作では、ECサイト機能の導入や顧客管理システム(CRM)との連携が有効です。また、予約・決済機能の実装やデータ分析機能の追加も補助対象となります。さらに、業務効率化につながるバックオフィスシステムとの連携も検討価値があります。このように、単なる情報発信だけでなく、ビジネスプロセスの変革につながる機能を組み込むことが重要です。
申請のポイント
本補助金の申請では、単純なホームページのリニューアルや新規作成ではなく、「DXによる事業変革の視点」を明確に示すことが採択への重要なポイントです。例えば、新しいホームページによって実現する業務プロセスの変革、データ活用による意思決定の高度化、顧客体験の向上などを具体的に説明する必要があります。これらの視点なくして単にデザインを一新するだけでは、本補助金の趣旨に合致せず、採択される可能性は低くなります。
申請から交付までの流れ
- DX推進計画書の作成
- 補助金交付申請書の提出
- 審査・交付決定(約1〜2ヶ月程度)
- 事業実施(ホームページ制作など)
- 実績報告書の提出
- 補助金額の確定・交付
DX推進計画書では、現状の課題、DX導入による解決策、期待される効果を定量的に示すことが求められます。例えば「ホームページのEC機能導入により売上を20%向上させる」といった具体的な目標設定が必要です。
申請のコツと実施例
申請時は課題分析と目標設定の具体性を明確にすることが大切です。また、導入後の効果測定方法をあらかじめ計画しておくことも重要です。持続可能な運用体制の構築計画を示すことで、一過性の取り組みではなく継続的な事業改革であることをアピールできます。さらに、将来的な発展性・拡張性への言及があると、中長期的な視点での取り組みとして評価されやすくなります。
実施例としては、小売業では店舗の在庫管理システムと連動したECサイトを構築し、オムニチャネル化を実現するケースがあります。サービス業ではAIチャットボット搭載のホームページにより顧客対応を自動化し、対応時間を60%削減した事例もあります。製造業においては、製品カタログのデジタル化と見積もり機能の実装により受注プロセスを効率化するといった活用法が見られます。
本補助金を活用して、単なる情報発信ツールではなく、ビジネスモデルそのものを変革するホームページ制作に取り組みましょう。不明点は愛知県経済産業局産業部産業政策課や最寄りの商工会議所にご相談ください。
補助金に関連した3つの注意点
申請しても必ず採択されるわけではない
国や自治体などに補助金の申請をしても、必ずしも採択されるわけではありません。 実際、IT補助金の「交付決定事業者一覧」を見ると、デジタル化基盤導入枠が83%程度であるのに対し、通常枠で交付されている事業者は40~50%前後となっています。 これはそれぞれの補助金にあらかじめ予算があるからです。そのため、募集枠以上の応募数があった場合などは、採択される確率がその分低くなってしまいます。 応募数は予測するのが困難なので、補助金を利用できなかった場合の対策も考慮しておくほうがよいでしょう。
規定に沿って不備がないように申請する
補助金の申請をする際には必要書類をすべて準備し、不備がないように記載しなければなりません。また、オンラインで提出したり、商工会議所を経由したりする提出方法についてもチェックしておきましょう。オンライン申請をするにはGビズIDが必要なので、あらかじめアカウントを取得しておくのがおすすめです。さらに、それぞれの補助金は申請から交付までの流れが記載されているので、スムーズに申請できるようにスケジュール管理をしておくことも重要ポイントといえます。
後払いのため予算はしっかり確保しておく
各補助金の流れを見るとわかりますが、支給されるまでには一定期間がかかります。補助金のほとんどが実績報告書の提出が必要だからです。つまり、ホームページ作成の費用は先に自社で負担しなければなりません。対象となる事業をスタートさせる前に必要な金額を把握し、予算をきちんと準備しておきましょう。
採用サイトは補助金の対象外になる可能性がある?
採用サイト制作が補助金対象外になりやすい理由と、それでも活用できる可能性について解説します。
補助金対象外になりやすい主な理由
理由 |
詳細 |
目的の不一致 |
多くの補助金は生産性向上や新規事業創出が目的。採用活動は通常業務と見なされがち |
経営基盤との関係 |
人材採用は企業運営の基本的活動であり、独自予算で行うべきとの考え方が強い |
成果測定の難しさ |
採用サイトの費用対効果を具体的数値で示すことが困難 |
予算配分の優先度 |
限られた補助金予算内で、直接的な収益向上に繋がる投資が優先される |
採用サイトでも補助金獲得の可能性がある場合
補助金申請時には、単なる採用サイト制作ではなく、事業拡大や経営革新に必要な「戦略的人材獲得のためのDX推進」として位置づけることが重要です。
補助金申請の際は、事業計画との関連性を明確にすることが求められます。新規事業展開に必要な特殊スキルを持つ人材の獲得計画を示したり、人材不足が事業成長のボトルネックになっている具体例を提示したりすると効果的です。また、汎用的なホームページではなく、AIマッチング機能の実装やオンライン適性検査システムの導入、採用管理システムとの連携など、機能を特化させることも重要なポイントです。
地域活性化との関連付けも有効な戦略です。UIターン促進の仕組みを導入したり、地域産業の人材確保への貢献を明示したりすることで、地域振興を目的とした補助金の対象となる可能性が高まります。さらに、障がい者雇用促進のためのアクセシビリティ対応や多言語対応による外国人材の活用など、社会的価値の創出につながる要素を含めることも検討すべきでしょう。
補助金申請時には、制作するサイトの「目的」と「成果指標」を明確に設定し、事業発展との関連性を具体的に示すことがカギとなります。単なるコーポレートサイトの一部ではなく、経営課題解決のためのツールであることを強調する姿勢が大切です。
まとめ
ホームページ制作に使える主な補助金として、「IT導入補助金」、「小規模事業者持続補助金」、「事業再構築補助金」の3つと地方自治体が運営している補助金制度をご紹介しました。それぞれ対象経費や対象者、補助額が異なるため、企業の状況に応じて最適なものを選ぶことが重要です。
補助金を活用することで、初期費用を抑えつつ効果的にホームページを制作し、競争力を高めることができます。しかし、補助金の申請には注意点も多く、計画書の作成や書類の準備を丁寧に行うことが求められます。
各種補助金はホームページ作成の費用負担を軽減するために役立ちます。しかし、申請すれば100%支給されるわけではないので、万が一申請が却下された場合の対策をたてておかなければなりません。
費用を少しでも抑えるコツは、実績があり、低予算で請け負ってもらえる業者を見つけておくことです。「ホームページドットコム」はこだわりの品質で、費用を抑えて依頼できます。まずはホームページ作成について気軽に問い合わせてみてください。